片づけを始めたときは、やる気もあったし、どんどん進んでいた。
それなのに、あるモノを手にした途端、考え込んでしまって手が止まる。
「これ、どうしよう……」
「まだ使えるし、捨てるのはもったいない」
「でも、これから使うのかな?」
そんなふうに迷っているうちに、時間ばかりが過ぎてしまった。
こんな経験はありませんか?
片づけをしていると、どうしても判断に迷うモノが出てきます。
そして、迷うモノが出てくるたびに手が止まってしまうと、なかなか先に進めなくなってしまいますよね。
でも、安心してください。
片づけが止まってしまうのは、必ずしも片づけが苦手だからではありません。
モノによっては、その場ですぐに判断することが難しい場合もあるのです。
今回は、こんまり®︎流片づけのレッスンでも実践している、迷って手が止まったときに試してほしい3つのことをご紹介します。
片づけで迷ったときに試してほしい3つのこと
① カテゴリーが終わったら、もう一度見直してみる
こんまり®︎流片づけでは、衣類、本類、書類、小物類、思い出品の順番で片づけていきます。
それぞれのカテゴリーのモノを一か所に集め、一つひとつ手に取りながら、ときめくモノを選んでいきます。
けれど、すべてのモノを一度で判断できるとは限りません。
そんなときは、いったん保留にして、そのカテゴリーのほかのモノを選び終えてから、もう一度見直してみるのも一つの方法です。
ほかのモノを選んでいくうちに、自分が大切にしたいことが少しずつ明確になったり、最初より選ぶ力がついていたり。
つい数分前に迷っていたモノの判断が、サクッとできることも少なくありません。
最初に手にしたときには決められなくても、決断を重ねていくことで、自分の判断に少しずつ自信がついてきたり、自分軸が整いはじめて『本当はどうしたいのか』答えが見えてくることがあります。
迷ったからといって、そこで片づけを止めてしまわなくても大丈夫。
まずは、ほかのモノを選ぶことを進めてみましょう。
② 実際に着てみる、使ってみる
衣類や小物類などで迷ったときには、実際に着てみたり、使ってみたりするのもおすすめです。
たとえば、洋服。
「まだ着られるし、いつか着るかもしれない」
そう思って残している服があったとします。
でも、実際に着てみると、着心地がしっくりこなかったり、今の自分には似合わないと感じることもあります。
反対に、しばらく着ていなかった服を着てみたら、やっぱり好きだなと気づくこともあるでしょう。
頭の中で考えているだけでは、なかなか答えが出ないこともあります。
そんなときは実際に試して、自分の気持ちを確かめてみてください。
大切なのは、使えるかどうかだけで判断するのではなく、今の自分がこれを着たいのか、使いたいのかという気持ちにも目を向けることです。
もし洋服で迷ったら、試着の洋服の山を作って、最後にまとめて着てみるモノおすすめです。
③ 思い出品として、最後に向き合ってみる
そして、もう一つ。
私がレッスンで大切にしていることがあります。
それは、衣類や本、書類、小物類の中にも、実は思い出品が潜んでいることがあるということです。
こんまり®︎流片づけでは、思い出品は最後に片づけます。
思い出の詰まったモノは、そのモノ自体の価値だけではなく、そこにまつわるエピソードや人とのつながり、自分が頑張ってきた時間なども重なっていることがあります。
だからこそ、簡単には判断できない。
そんなときは、無理にその場で結論を出そうとせず、思い出品として最後に向き合ってみるのも一つの方法です。
もし、片づけ中に『思い出品かも』と思えるモノが出てきたら、ぜひ思い出ボックス(大きめの紙袋でも良い)を作って、そこにストックしておいてください。
片づけがスムーズになるし、思い出品の片づけになったときわかりやすくなります。
学生時代に頑張っていた証し。バスケットボールのユニフォーム

以前、レッスンで衣類の片づけをしていたときのことです。
全出しをしてくださったお洋服の中に、お客様のバスケットボールのユニフォームがありました。
そのユニフォームは、学生時代に頑張っていたときに着ていたもの。
何十年も前のモノで、もちろん今は使っていません。
他のスポーツウエアと一緒に、ずっとしまってありました。
お客様は衣類のカテゴリーとして出してくださいましたが、お話を伺っていると、どうやら簡単には判断できない様子。
「これは、ちょっと迷います。すごく思い出があるモノで……」
そうエピソードをお話ししてくださいました。
私はお話しを伺いながら、これは思い出品として向き合ったほうがよいのかもしれないと感じました。
そこで、
「これは、思い出品かもしれないですね」
とお尋ねしてみました。
すると、お客様も、
「そうですね。これは思い出品ですね」
と納得されたのです。
そこで、その場で無理に判断することはせず、思い出品のカテゴリーまで持ち越すことにしました。
ユニフォームはパッと紙袋で作った思い出品の箱に入れ、衣類の片づけを再び進めていきました。
このように、そのモノにまつわるエピソードを伺うことで、どのカテゴリーとして向き合うとよいのかが見えてくることがあります。
洋服だから、衣類のカテゴリーで必ず判断しなければいけない。
本だから、書類だから、小物だから、その場で決めなければいけない。
そんなことはありません。
モノの種類だけではなく、そのモノにどんな思いが詰まっているのかにも目を向けてみる。
それだけでも、片づけがスムーズに進むことがあります。
残すと決めたモノにも、手放すと決めたモノにも

ここまで、片づけの途中で迷ったときの3つの対処法をご紹介しました。
では、いろいろ考えた結果、最終的に「残そう」と決めたモノは、どうしたらよいのでしょうか。
私が大切にしているのは、ただなんとなく残すのではなく、自分が納得して選べるように、そのモノを残したい理由を少し言葉にしてみることです。
たとえば、お気に入りのお洋服。
「いつか着るかもしれないから」
「まだ着られるから」
という理由だけで残すのではなく、
「私は、このお洋服の色やデザインが好き」
「これを見ているだけで、元気をもらえる」
「着ると自分らしくいられる気がする」
そんなふうに、自分にとっての好きなところや、これからの暮らしの中でどんな役割を果たしてくれるのかを考えてみます。
使うことだけが、モノの役割ではありません。
見ているだけでうれしくなる。
持っているだけで安心できる。
頑張っていた自分を思い出させてくれる。
そんな役割を持つモノもあります。
「私は、ここが好きだから残すんだ」
そうやって自分の気持ちを確かめられると、残したモノへの愛着も、より深まっていくのではないでしょうか。
もちろん、残す理由を立派な言葉にする必要はありません。
自分なりに「これが好き」「これがあるとうれしい」と感じられたら、それで十分です。
一方で、向き合った結果、
「もう卒業。これがなくても大丈夫」
「今までの私には必要だったけれど、これからの私にはなくてもいい」
そう思えることもあるでしょう。
そんなときは、これまで自分を支えてくれたモノに「今までありがとう」と感謝を伝えて、お別れする。
ただ捨てるのではなく、自分の気持ちに区切りをつけて手放すことも、大切にしたいことの一つです。
残すことも、手放すことも、どちらが正解というわけではありません。
大切なのは、自分の気持ちと向き合い、納得して選ぶこと。
すぐに答えが出ないときは、少し時間をかけてもいいのです。
片づけの手が止まったら、自分を責めなくて大丈夫
片づけの途中で迷ったときには、
- そのカテゴリーが終わってから、もう一度見直してみる
- 実際に着たり、使ったりしてみる
- 思い出品として、最後に向き合ってみる
この3つを試してみてください。
どの方法が合うかは、モノによっても人によっても違います。
大切なのは、迷ったモノを無理にその場で決めようとしないこと。
そして、迷っている自分を責めないことです。
片づけの途中で手が止まると、「私には決められないのかな」「やっぱり片づけられないのかな」と感じてしまうことがあるかもしれません。
でも、迷うこと自体が悪いわけではありません。
そのモノに思い入れがあったり、これまでの人生の大切な一場面が重なっていたりするからこそ、簡単には決められないこともあります。
そんなときは、無理に答えを出そうとしなくても大丈夫。
少し時間を置いて見直したり、実際に使ってみたり、思い出品として最後に向き合ったり。
自分の気持ちを置き去りにせず、ひとつずつ進めていきましょう。
片づけは、ただモノを減らすための作業ではありません。
モノと向き合うことを通して、今の自分の気持ちや大切にしたいことに気づいていく時間でもあるのです。
