片づけで最もハードルが高いのは「捨てる」という行動です。
近藤麻理恵さんは「人が捨てられない理由は、過去への執着と未来への不安」と語っています。
たしかに「もったいない」「後悔するかもしれない」という思いは、誰の心の中にもあります。
私も長い間、同じ理由でモノを手放せませんでした。
けれど、いざ思い切って捨ててみると、今まで見えなかった「本当に大切なモノやコト」がくっきりと浮かび上がってきたのです。
この記事では、こんまり®流片づけコンサルタントの池田やよいが、たくさんの【ときめかなかったモノ】を手放した先に得られた新しい未来についてお伝えします。
同じ基準で片づけても結果は変わらない

以前の私は、「まだ使えるから」「一応取っておこう」という気持ちでかなりのモノを残してきました。
「使えるモノ」を残すのはどこか安心感があります。
とはいえ、その感覚で片づけを進めてみても結局また同じ状況に戻ってしまう。。。
たとえスッキリしたように見えても、しばらくすると部屋は元通り。。。
心の中も変わらず、「片づけが終わらない」という繰り返しに陥ってしまいます。
そこで私は、【ときめくものを残す】というこんまり流の片づけの原点に立ち戻り、とことん勇気を出して実行することにしました。
思い切って手放したからこそ得られた変化

1. 買い物の仕方が劇的に変わった
セール品や安い雑貨を気軽に買っていた頃は、買う瞬間だけに幸せを感じることが多かったような気がします。
旅行に行ったら記念品みたいなお土産を買うのはあたりまえだし、たまにしかいかないショッピングモールに行けば、せっかく来たんだからと、特別欲しかったわけでもないモノを勢いで買ってみたり、気軽に人からもらったり。。。
けれど、手放すときの苦しみをたくさん経験してからは、
「本当に必要か?」
「本当にときめくか?」
を必ず考えるようになりました。
「買うのは簡単、捨てるのはとても大変」という現実を身をもって知ったからこそ、買い物への姿勢が大きく変わったのです。
2. 自分の感覚を信じられるようになった

「ときめくモノを選ぶ」という体験を重ねるうちに、自分の感覚に自信が持てるようになりました。
なぜなら、人は平均して1~2万個。多い人だと3万個以上のモノを持っているそうです。
自分の持ち物の数だけ「ときめくのか?」それとも「ときめかないのか?」自分に問いかけ続け、決断を繰り返していく。
こうなったらもう、イヤでも決断力がついて自分の感覚に自信が持てるようになってしまいます。
以前は「これでいいかな」と中途半端な気持ちでモノを選んでいたとしても、片づけを完璧に終わらせることで、「これが好き!」「これは絶対必要!」と心から納得できる選択ができるようになるのです。
3. 家の中に残ったものが、自分の価値観そのものになった

片づけを終えたことで、中途半端なポジションの
「使えるけどとくに好きではないモノ」
「ただ何となく取っておいたモノ」
「いつか使うかもと残していたモノ」
はすっかりなくなり、本当にときめくモノ、大切にしたいモノだけが残るようになりました。
その結果、
という価値観がくっきり見えるようになり、日々の暮らしに安心感と満足感が生まれました。
4.自分の気持ちを大事にするようになった

結婚し子どもが生まれてから、知らず知らずのうちに家族が最優先で、『自分がどうしたいのか?』ということを完全に封印していたことに気づきました。
ときめかないモノを思い切って自分から切り離してみる(家から出す)。
それは本当の自分の気持ちを最優先して叶えてあげることに繋がっていきました。
実際にそれがすぐには叶わないとしても、自分の気持ちを無いものとはせずしっかり受け止めることで、自分で自身を大事に扱えるようになったのです。
5.家族の気持ちを受けいるられるようになった

自分の気持ちを大事にすることができるようになってくると、いつの間にか少しずつ、家族の気持ちも尊重できるようになりました。
ああして欲しい!
こうして欲しい!
こうあるべきだ!
それまでは相手の考えやペースは考えなしに、一方的に押し付けていた自分の考え。
『普通はこう』とか『周りからどう見られるか?』ではなく、それぞれの価値観を大事にした方が上手くいくし楽しいよね。
そんなふうに思えるようになると、以前よりも色々話してくれるようになり、家族間の会話も増えていきました。
まずは自分の心を満たすことで、相手にも心が配れる余裕ができたんだと実感しています。
感謝を伝えて手放すことの意味

手放すときに大切なのは、ただ処分するのではなく「ありがとうございました」と感謝を伝えること。
その感謝は、単に自分の気持ちを落ち着かせるためではありません。
たとえば
「今までそばにいてくれてありがとう」
「支えてくれてありがとう」
「買ったときの一瞬のときめきをくれてありがとう」
手放すモノに心を寄せることです。
中には
「これは似合わなかったんだ」
「あまり使いたくなかったんだ」
という気づきを与えてくれたモノもあるはずです。
それもまた、そのモノが教えてくれた大切な役割です。
どんなモノであっても自分のところに来た意味があり、その役目を果たしてくれています。
だからこそ、感謝の言葉をかけて「ありがとう、さようなら」と送り出す。
それは、冷たさではなく優しいさよならであり、モノと心にカタをつけて前に進むための大切なステップなのです。
捨てるからこそ見える「大切なもの」

何度も繰り返しますが、片づけで勇気がいるのは「捨てる」という行動です。
けれど思い切って手放すからこそ、自分にとって本当に大切なモノやコトが見えてきます。
残したモノを、【大切にしたい】という気持ちが芽生え、その通り大切に使っている自分に気づく。
使わないモノを何となく取っておくことより、厳選した本当にときめくモノを大切に使っていくことこそ、モノを大切にしていることだと私は感じています。
そして、捨てる苦しみを経験したことは、これからの暮らしにとても大きな意味を持ちます。
「もう簡単に物を増やしたくない」
「もう捨てるときの苦しみをあじわいたくない!」
「本当にときめくモノ以外はいらない」
この姿勢は、これからの人生を心地よく、そして軽やかにしてくれることは間違いありません。
まとめ
思い切って捨てたからこそ得るることができたこと。
それは
- 自分にとって本当に大切なモノ・コトがわかるようになること
- 捨てる苦しみを味わったからこそ、買い物するときの姿勢が変わったこと
- モノを大切にすることの本当の意味が分かったこと
- 自分も家族ももっと大事にするようになったこと
片づけは「捨てる」ことを避けては前に進めません。
「手放す」という不安や執着を勇気を持って振り切れたとき、今まで見えなかった「本当に大切な何か」が見えてくると私は断言します!

