はじめて妥協しなかったのは、名刺入れでした

片づけコンサルタントになって、はじめて企業さんん向けのワークショップをすることになった時のことです。

打ち合わせに行くために、はじめて自分の名刺を自分で作りました。

「あれ?名刺入れがないと、ちょっと格好がつかないかな」そう思って、これを機に買おうと決めました。

当時の私は、名刺入れにそこまで強いこだわりがあったわけではありません。

「1万円くらいで、いいモノが見つかればいいな」

そんな気持ちで、いろいろ見て回りました。

けれど、なかなか「これだ!」と思えるモノに出会えません。

最後に行った百貨店。

ふと目に留まったのが深いブルーの名刺入れでした。

青というより少し緑がかった碧色。

手に取ったときの革の触り心地もとてもよくて、「素敵だな」と思いました。

でも、値段を見てびっくり!

私が考えていた予算の3倍、4倍くらいはしたと思います。

「さっすがに高いかな」
「名刺入れにここまでかけなくてもいいんじゃないかな」

そんな気持ちがよぎりました。

今までの私だったら、きっとそこで引き返していたと思います。

”これくらいでいいか”
”似たようなもので充分かも”

そうやって、少し気にいったくらいのモノで決めていたかも知れません。

でもその時は、少し違いました。

片づけコンサルタントとして歩き出す、最初の一歩だったからです。

まだ駆け出しで、自分に大きな自信があったわけではありません。

むしろその時は、

「今の自分の身の丈に合っていないんじゃないか」

そんな気持ちもありました。

まだそんなに仕事をしているわけでもない。
これから本当にやっていけるかもわからない。

そんな自分が、こんな名刺入れを持っていいのかなと、少し気おくれする気持ちもあったと思います。

でもその一方で、この名刺入れが似合う自分になっていきたい。

そんな思いも確かにありました。

この仕事をやっていく自分。

自分が本当に好きだと思えるモノを持って、その気持ちに見合う自分に育っていきたい。

だからこそ、あの時の私にとって、この名刺入れはただの持ち物ではなく、これからの自分との小さな約束のようなモノだったのかもしれません。

「この仕事をやっていくんだ」

という覚悟だけは、ちゃんと持ちたかったのです。

そして、そんなとき背中を押してくれたのが夫の一言でした。

「せっかく好きな仕事をはじめるんだから、自分が納得いった好きなモノを買った方が良いよ」

夫は、これまでもスーツや靴、鞄やペン、身につけるモノにこだわりを持ち、それを味方につけて仕事をし、家族を支えてきた人です。

そんな夫の言葉は、私の中に重く響きました。

かなりの勇気は必要だったけれど、私はその名刺入れを買いました。

今思えば、あれはただの名刺入れではなかったのだとお思います。

はじめて企業さん向けのワークショップに向かうときも、その名刺入れがあることで、少しだけ背筋が伸びたような気がしました。

”この仕事をやっていくんだ”

そんな気持ちを、そっと支えてくれる存在だったように思えます。

そして今も、私はその名刺入れを使っています。

見るたびに、あの時の感覚を思い出します。

そして、
「自分のときめきで選んでよかった」
と何度も思います。

もし、こんまり®流片づけをしていなかったら、私はきっと、自分にこんな買い物をすることはなかったと思います。

でも今はわかります。

ときめきモノを選ぶことは、ただ好きなモノを持つということではなくて、自分の気持ちを大事にすることでもあるのだと。

全部をすぐに叶えられなくてもいい。

高すぎて買えないモノがあってもいい。

でも、

「私はこれが好きなんだ」
「本当はこういうモノに惹かれるんだ」

そうやって、自分の気持に蓋をせずに、ちゃんと知ってあげることは、とても大切だと思うのです。

ときめくモノは、気分を上げてくれる以上の力があります。

ときには、自分の覚悟を思い出させてくれたり、自信をくれたり、背中を押してくれたりすることもあります。

深いブルーの名刺入れは、まさにそんな存在でした。

あなたにも、見るたびに少し気持ちが整うモノ、「これを選んでよかった」と思えるモノはありますか?

それは、今の自分や、これからの自分をそっと支えてくれる相棒かもしれませんね。

こんまり®流片づけシニアコンサルタント
池田やよい

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この記事を書いた人

こんまり®流片づけシニアコンサルタント 池田やよい
3人の母。デイサービスで介護職員として働きながら、片づけコンサルタントとしても活動しています。
一人では進みにくい片づけも、片づけレッスンを通して最後まで伴走しています。
自分のときめきを頼りに自分の人生を選び、笑顔の時間を増やしていただけたら嬉しいです。

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